高キビは、アフリカ原産の雑穀です。うるち種の「白高キビ」ともち種の「赤高キビ」の二系統があります。主食が白トウモロコシの粉に変わってしまってしまった今も、高キビはアフリカ大陸全域で重要な主食源です。白高キビはインドからタイ北部までしか伝わりませんでしたが、赤茶の高キビは中国、韓国を通って日本にもやってきました。数千年前のことです。
岩手県の伝統のおやつに、高キビ団子のお汁粉があります。熱湯で練った高キビ粉を平らな団子にし、煮えやすいように真ん中をくぼませ、塩味のあずきのお汁粉に入れて煮ると、あずきも団子もなぜか甘くなります。あずきの高キビの「赤紫」が腎臓を丈夫にします。
韓国では、高キビもちが、邪気をはらい、子供の健康を守るおやつとして伝統的に食べられてきたと聞きます。アフリカ原産の高キビが数千年前にはすでに日本に伝わっていたことを思うと、世界は、私たちの想像を超えてつながっていたことを感じませんか。
[出典元] anemone
[Photographer] 秋枝俊彦