現代のストレス社会を生き抜くために、シンプルで的確なガイドラインが食のピラミッドだ。食の土台がしっかりすれば、たいていの病気を跳ね返し、動物性食品などの酸性食品や添加物を少々摂取しても難なく消化、解毒する力がつく。日本の食は戦前までずっとこのピラミッドを守ってきた。
ここで紹介するのはわたしが長年の研究をまとめた日本版「食のピラミッド」。アメリカ国立ガン研究所「デザイナーフーズ計画」発の食のピラミッドも、肉、卵、乳製品や砂糖を減らして、麦類、玄米や雑穀などの未精白穀類を主に食べよう、野菜をもっと食べようというもので同じ方向性だが、それを日本の厚生労働省が翻訳発表したものは、砂糖の危険性や未精白穀物の重要性の話が抜けている上に、日本の風土性を加味していないなどの問題がある。下記の指標を頭に入れて食事と向きあえば、自然と体の調子がよくなるはず。
1.主食は未精白穀物 7割(中性・中性)
ごはんもおかずもおやつも穀物を主に作る
2.旬の野菜、特に青菜類と根菜 2割(アルカリ性・陰性)
野菜のアクはうま味と栄養の素、皮をむかない丸ごと調理
3.海藻を常食とする 野菜の2割(アルカリ性・やや陰性)
体の総合掃除係
4.海塩で素材のうま味を引き出す(アルカリ性・陽性)
塩と味噌、醤油、梅酢等陽性な発酵調味料を主に
5.漬け物は毎食、味噌汁は毎日食べる(アルカリ性・陽性)
味噌・醤油は体内微生物のバランスを整える万能調味料
6.種子、木の実、豆、ドライフルーツを少量常食(酸性・陰性)
必須脂肪酸のアルファリノレン酸など微量栄養素の宝庫
7.飲み物は水、そしてほうじ番茶(アルカリ性・陰性)
体を浄化し生命を育む力は生きた水から
*割合は仕上がりの見た目で、およそのめやす、感覚的でよい
[出典元] 2004年11月「雑穀の書」つぶつぶグランマゆみこ著
[Photographer] 福永仲秋