オフホワイト、ビビッドな黄色、クリーム色、ダークレッド、赤、黒紫、茶、グレー、雑穀の色には、子孫を残すために大切な種を酸化から守る力が宿っている。色の正体はポリフェノールをはじめとする抗酸化物質(※)なので、雑穀を常食すると細胞の酸化が妨げられて若返る。見た目の若さはもちろんだが、肝臓や腎臓をはじめ、体内諸器官の若さが維持されるのがうれしい。繊維、各種微量ミネラルも抜群に多いので、体の機能がフルに働いて便秘知らずのすっきりコンディションを保てる。
雑穀を食べると、現代の食卓に欠けている多様な微量栄養素に満たされるので細胞は大喜び、DNAが目覚めて元気が泉のように湧き出す。タンパク質と脂肪も米、小麦に比べて豊富に含まれているので、雑穀主食なら栄養面はもちろん、味の面でもごはんだけで充分満足できることが頷ける。
とはいえ、おかずを食べる習慣に慣れてしまった現代ではもう少し刺激的な食卓が要求される。雑穀はどれも個性的な深いうま味を持つが、ごはんの仲間なのでクセがなく飽きのこない、穏やかな風味が特徴。肉、魚では味わえない独特の質感とボリューム感、そして天然のとろみと甘さがある。野菜との取り合わせや塩加減、良質の植物油を加えるなど、コクやうま味を加えたり引き出したり、調理の工夫次第で自由自在にニュータイプの料理食材、お菓子食材として活用することができる。
食べている感じは、うま味たっぷりのグルメ料理、その実体は伝統の食材とともに伝統のルールで調理したつぶつぶごはん。体の中を調和に導くアースカラーの料理の誕生だ。
※抗酸化物質:体にさまざまな障害を与え老化を促進する「活性酸素」を中和したり無毒化し、また、「サビ」といわれる「過酸化脂質」の体内における生成を防ぐ効果を持つ物質。
[出典元] 2004年11月「雑穀の書」つぶつぶグランマゆみこ著
[Photographer] 福永仲秋