長男を出産する前の話です。私は9つ年上の夫とそれなりに仲良く暮らしていました。ただ、今考えると夫婦のビジョンなどはなく、「今さえ楽しければいい」というような、表面的な付き合いでしかありませんでした。
当時の私は小学校教員をしていました。小学校教員は幼い頃からの夢だったはずでしたが、現実は非常に厳しく、問題に振り回される日々。自信がなくなり、心身ともに疲れ果て、私は仕事を辞めたくて仕方がなかったのです。それでも私は、夫に愚痴を聞いてもらいながら仕事を続けていました。でも、夫は私よりも収入の少ない会社員だったのです。幼いころにお金で苦労した両親のもとに生まれ、質素倹約が大事と思って育った私は、いつも貯金しておかないと不安で、お金を使うことに対して罪悪感がありました。
だから「どうしてもっと収入の多い人と結婚しなかったのだろう」と、実は少し後悔もしていました。
そんな仕事を辞めたいのに辞めることができない私に転機が訪れました。年に一度しかないほどの生理不順と冷え性にもかかわらず、幸いにも長男を自然に授かり、念願の育休に入ることができたのです。
そうやって長男を産んだ後のある日、離乳食の本を探していた時に図書館でつぶつぶ料理のレシピ本を見つけました。試しに作ってみようと雑穀とジャガイモ、玉ねぎを炊き合わせて料理を作ってみたらそのおいしさにびっくり!!ママ友たちに食べてもらったら、「おいしい!作り方を教えて!!」とたちまち大人気になりました。お肉も、砂糖も、卵も、乳製品も使わないのに、今までになかった満足感、心身ともに満たされるおいしさだったのです。私はその時、つぶつぶ料理に大きな可能性を感じました。
「もっとつぶつぶ料理の本質を知りたい!」と、迷わず名古屋で3日間行われた「未来食セミナー」に参加。今までの私の価値観とは180度違う、目から鱗の内容に感激しました。
なんと、究極的には「人間は、穀物と塩と水があれば生きていける」というのです。すぐに作れる即行料理術も満載で、料理の経験が少ない私も簡単に作ることができました。
つぶつぶ料理を毎日楽しんで料理して食べているうちに、体がぽかぽか、心配性やイライラもいつしか軽減され、自分に自信がついていきました。
「今まで、不安にフォーカスするから望まない現実がやってきていたんだ。」
「今、やりたいことを全力でやろう。」
「将来の不安から、お金のために働くのはやめよう。」
と思いました。
そして長男出産から3年弱。育休の期限が近づき退職を決意した時、夫からびっくりする話を聞かされました。
なんと、夫の勤めていた会社が廃業。来月から収入がゼロになるというのです。
すでにつぶつぶ料理を1年間学び続けていた私は、「穀物と塩で生きていける」というつぶつぶグランマゆみこの言葉を思い出していました。そこであり得ない選択をしたのです。
私は、つぶつぶ料理を伝える仕事がしたいという夢が膨らんでいました。そして、それまでの私からは信じられない結論を出しました。退職です。
わが家は、夫婦揃って職を失うことになったのです。
つぶつぶ料理に出会う前の私だったら、夫が職を失った時に公務員である小学校教員の仕事を辞める選択はしなかったと思います。今でも不思議ですが、心配性の塊だった私なのに、その時は退職に関して将来の不安はありませんでした。
そうはいっても、アパート代を払い続けることはできないと、夫の祖母が暮らしていた家を簡単にリフォームし、二世帯住宅で夫の両親とともに住むことにしました。
夫は自宅で独立して仕事をはじめ、私はつぶつぶマザーになる研修を受けはじめました。
つぶつぶマザーになる過程において、夫とは何度も何度も話し合いました。
私がつぶつぶ料理を学ぶことには反対しない夫でしたが、夫は大のお肉好き・レトルト食品好きで、私が作るつぶつぶ料理をほとんど食べてくれなかったのです。つぶつぶ料理で知り合った友人はみんな家族ぐるみで楽しんでいるのに、どうして私が料理の腕を上げても夫は食べてくれないのだろうとずっと悩んでいました。
その理由が今ならわかります。私は、現代食を楽しむ夫を批判し、私は正しい、そして、理解しない夫が間違っていると主張するばかりだったのです。未来食つぶつぶは、食と意識を転換し、日々実践することで現実が変わっていくことを伝えています。私が変えたのは、自分にとって都合のいい「食」の一部分だけで、意識は全く今までのままでした。
私の矛盾に気づいてほしいと訴えるように、夕食にお肉が出てこない日は夜中に即席ラーメンを食べる夫。そんな姿を見るのは辛いし、でも長男にはお肉を食べさせたくない。だから夫には肉入りコロッケ、長男と私は雑穀入りコロッケというように、何種類ものおかずを作る日々を送っていました。それもだんだん疲れてきて、挙句の果てに、長男が「パパのお肉がほしい!」と言い出すようになり、もうこんな生活を続けられない、なんとかしなければと思ったのです。
意を決して、今まで避けていた夫との話し合いをしました。今までずっと、批判してきたことを心から謝り、家事、育児に協力的な夫に感謝の気持ちを伝えました。
でもやっぱり、子どもはつぶつぶ料理で育てたいこと。お肉やレトルト食品が体にも自然環境にも大きな負担をかけているということを知った今、私は愛する夫と長男にそれらの料理を作って出すことはできない。そんなことを続けたら、今度は私の気持ちが滅入って、私が病気になってしまうだろうということも話しました。私の願いを伝え、我が家の基本ルールを夫と決めました。
何であれ、妻が心を込めて家族のために作った料理に対して、感謝の気持ちでひと口は食べてほしい。お母さんは家族のために一生懸命料理してくれたんだよというその姿勢を子どもに見せてほしい。外では何を食べてもいいけれど、家の中では私が作る料理を食べてほしい。私も料理の腕を上げるから、遠慮なくアドバイスをしてほしい。子どもが寝た後、子どもが居ないところでは自由にしてくれたらいい。そんなルールです。
実は私は、ここまで話して理解してもらえなかったら、離婚しようと思っていました。夫も私も、その方が幸せだと思ったからです。私は、今さえ良ければ、自分さえ良ければそれでいいという人と人生を歩んでいきたいのではなくて、たとえお互いに未熟であっても、補いあいながら共に成長していこうという価値観を共有できるパートナーと生きていきたいと思うようになっていたのです。
でも結局は、夫に対して感謝する気持ちがなかったことと、問題に向き合うのが怖くて、しっかり話し合っていなかったこと、これがお互いを理解するのに時間がかかった原因でした。もうそんな自分はやめようと心から決心して向き合った結果、夫はそれを理解し、ルールを守ってくれました。
そして、私はつぶつぶマザーになりました。
あれから5年。奇跡的な現実が起こっています。
夫が未来食セミナーを受講し、つぶつぶ料理を楽しむようになりました。夫は花粉症が治り、風邪をひかなくなりました。
夫と私の夫婦仲は、なんと新婚時代よりも良くなり、お互いを信頼できるようになりました。
夫の両親にも感謝とともに私の気持ちをはっきりと伝え、普段からコミュニケーションを取るように心がけました。すると義母も未来食セミナーを受講し、つぶつぶ料理を楽しむようになりました。その結果、義父は10㎏以上健康的に痩せ、食と意識の転換によってガンが治ったのです。
今では夫自ら食と農の大切さについて訴えるユーチューブ動画をフェイスブックにアップするなど、私と同じ価値観を共有できるようになりました。
つぶつぶマザーの仕事に対し、夫も夫の両親も協力的で、参加者さんを駅まで送迎したり、掃除、洗濯をしたりと家族ぐるみでつぶつぶ料理を伝えている感じです。
家を社会に開く「つぶつぶマザー」という私の天職は、子育ても、家族との暮らしも楽しみながらできる私の仕事になりました。
家に信頼に満ちた人の流れと、感謝で回るお金の流れができました。なんと、毎月の収入は、小学校教員時代の月収を上回るようにもなりました。
じつは、私は未熟児で生まれ、思春期を迎えても女らしい体つきにならず、生理が始まりませんでした。高校を卒業した春休み、心配した母に連れられて初の婦人科へ。何も異常が無いと言われて仕方なくそのままにしておいたら、大学入学後、初めての生理があって、感激したことを覚えています。そんな私が奇跡的に子供を授かり、出産をきっかけにつぶつぶ料理に出会い、毎月順調な生理が来るようになっただけでなく、次男を授かって自宅での自然出産を実現することができるようにまでなったのです。今ではつやつやピンクの肌、親子で虫歯ゼロの健康ライフを満喫しています。
そして、一番の成果は、心配性、けち、正義感の固まりでおしゃれにも気後れしていた私が、おおらかに、前向きに、人生もおしゃれも子育ても暮らしも楽しめる、新しい私になったことです。
そんな私の変化、夫や家族の変化を見て多くの方が未来食セミナーを受講され、セミナー受講者向けの教室が大賑わいという嬉しい現実ができました。
私はずいぶん遠回りしてしまいました。
でも、この経験があるからこそ伝えられることがあります。
家族の理解がない、お金がない、子育てで時間がないといったどんな方でも、変わっていけるんだということを伝えたいと思っています。つぶつぶ料理は、自分らしく輝いて生きる最高のツールだと確信しています。
私と家族、そして学びに来てくれる人たちに起こっている事実から、つぶつぶ料理は、食べているだけで、心身の不調が解消し、体の中から元気とパワーが湧いてくる料理だということを実感しています。
つぶつぶ料理は、簡単にだれもが家族ぐるみで楽しめる料理です。
ぜひ、一緒につぶつぶ料理を楽しみませんか?
自分らしく輝いて生きたい!というあなたに体感会で会えるのを楽しみにしています。
(※あくまでも個人の体験談です。)